Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たなださいばんちょうのかいし

橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.181 caratteri · 219 schermate

Aozora Bunko

ついでにこれも、好意を受けることにしました。

姉娘の導いてくれたのは、スグそこの階段を上った、二階の取っ付き部屋でした。緋の絨毯を敷き詰めた洋間でありながら、ブェランダ紛いの広い縁側がついて、明け放した大きな硝子戸からは海や谷底を見下ろして、さっきよりもっと眺望のいい部屋でした。

部屋の真ん中には、真新しい敷布に掩われた大きな寝台が据えられて、高い天井や大きな家具、調度類……皺くちゃになった襯衣のまま、横になるのが憚られるような、豪華さでした。さて、そうして寝台に身を投げてはみましたが、その時の私の気持を、何といい現したらいいものでしょうか?

子供の頃に読んだ千一夜物語の中には、バグダッドの町を彷徨い歩いた荷担ぎの話なぞがよく出ています。夕暗の立ちこめた町の小路で、ふと行き摺りの美女に呼び留められて、入り込んだ邸の中が眼の醒めるような宮殿で、山海の珍味でもてなされたような物語が、よく出てきます。その時の私の気持が、ちょうどその荷担ぎだったといったら、いいでしょうか?

今は午前中で、まだ黄昏でもありませんし、またここがそれほどの宮殿とか、山海の珍味だとかいうのではありませんけれど、それでもなんだか狐につままれたような、心地です。