Classici giapponesi con furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.181 caratteri · 219 schermate
降りたところでただ飛沫に打たれるばかり、この辺の海は荒くて泳ぎも海水浴も、できる場所ではありません。ここから七里小浜近くまで行かない限り、波は穏やかにならないということです。
スパセニアのいう柳沼という湖は、そこから草原を南の方へ二、三十分ばかりの距離……なるほど、そう大きな湖水ではありません。が、水は清冽で底の藻草や小石まで、透いて見えるかと疑われるばかり、そして四周を緑濃い山々が取り囲んで、鳴き交う小鳥と空飛ぶ白雲のほかには、訪れるものもない幽邃さです。
恍惚と私は、眺め入りました。眺めても眺めても、眼に入る限り雲と山と、小鳥と鬱蒼たる樹木ばかり……もしさっきの雄大な景観がなかったとしても、浮世の塵に汚されぬこんな美しい湖一つだけでも、もし私が大人だったならば、ホテルの一つぐらい作りたくなったかも知れません。
「ホテルを作ったら、ここに白鳥を放して、快走艇や遊覧ボートをうかべて、日本へ来る外人客をみんな呼ぶんだって、パパは楽しみにし切ってましたのよ……」
湖畔に、朽ちて倒れた楢の大木があります。その幹に腰を降ろして、ジーナがいうのです。私も並んで腰をかけました。