Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ちくはくき
竹柏記
山本 周五郎
Leggi 竹柏記 (ちくはくき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.798 caratteri · 91 schermate
藩の古くからの習慣で、祝言のあと片づけには、新夫婦も(たいてい形式だけではあるが)手つだわなくてはならない。おそらくはすでに協力生活が始まったということを、教戒するものであろう。また一般とは違って仲人夫妻もあとには残らず、しぜん寝屋の盃は二人だけでとり交わすしきたりであった。
着替えをするまえに、杉乃はもういちど、良平のところへ挨拶にいった。祝言のときには、病床を移して、寝たままで式に臨んだのであるが、彼女は改めて、病間へもいったのである。
――そんなすなおな気持に、なっていて呉れたのだろうか。
これから嫁として仕える。という謙虚な気持のように思えて、孝之助はふと胸の温たまるのを感じた。
寝屋には屏風を(夜具を隠すように)とりまわし、燭台のそばに、作法どおり、盃の支度がしてあった。
白無垢の寝衣に、扱帯を前で結んで、杉乃は孝之助と向き合って坐った。ややほそ面の平凡な顔だちであるが、しもぶくれのふっくらとした顎と、受け口の、ひき緊った唇つきと、そして右の眼尻にある、かなり大きな黒子とが、凛とした表情に、柔らかな、幾らか嬌めいた印象を与えていた。
化粧はしなおしたらしいが、額から頬のあたり、なめらかな皮膚が、蒼ざめて硬ばり、正座した姿勢にも、結ったまま解かない髪(通常は寝屋へ入るときに式の髪は解く)にも、