Classici giapponesi con furigana
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ちくはくき
竹柏記
山本 周五郎
Leggi 竹柏記 (ちくはくき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.798 caratteri · 91 schermate
の心をつかむことはできやしません。これは女の叔母さまが念を押しておきます」
しっかりおやりなさいと云って、千寿は一種そそのかすように微笑した。
藩の習慣として、親が死ぬと七十日、喪に服さなければならない。役目の登城も(重臣その他やむを得ない用務のあるばあいはべつだが)原則として遠慮する定りだった。それで、表向には、父の死を二日のあいだ秘して役所の用を片つけたのち喪を発表した。
妻の杉乃は少しまえから、胃を悪くし、食事が摂れないので、部屋に籠って、寝たり起きたりしていた。臨終の日には、急でもあり人手が足りないため、いっとき客の接待に出たけれども、それがこたえたとみえて、三七日の忌日にも起きてはこられなかった。その代りという意味だろう、笠井から義母の松枝が女中を伴れて来て、浅乃と共にすっかり用をして呉れたが、あとから来た鉄馬はひどく怒って、
「しようのないやつだ、お母さん小言を云っておやりなさい、貴女の責任ですよ」
などといきまいた。義母はあいまいな笑い方をして、女の躯には男にわからない故障が起こるので、そういちがいに怒ってもしようがない、もしかすると怒るようなことではないのかもしれないから、……そんなふうに、言葉を濁して云った。