Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちくはくき

竹柏記

山本 周五郎

Leggi 竹柏記 (ちくはくき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.798 caratteri · 91 schermate

Aozora Bunko

八束は「お二人が主賓である」と云った。しかしそんなようすはどこにもなかった。招かれた客は重職ばかりで(城代家老は代理だった)身分からいえば、高安は次座より下であるのは当然だったが、導かれた席はそれより下であった。そのうえ、なにより困ったのは、妻を同伴しているのは彼だけで、ほかには一人も婦人客のいないことであった。

「珍しいですね、お二人ごいっしょとは」

そんなふうにたびたび訊かれた。

「ぜひいっしょにと招かれたものですから」

こう答えたが、ぐあいの悪さは、宴が始まるにつれて大きくなるばかりだった。

八束は颯爽としていた。挨拶のとき妻を紹介し、せがまれて男装に扮して伴れて来た、という話で、巧みに客たちを笑わせた。

「江戸育ちでわがままときているからかないません、あとで自慢の舞をまうそうですが、これは褒めないと逆鱗に触れますから、どうぞ皆さんで御喝采を願います」

砕けた口ぶりであるが、妻を誇っている調子が、かなり露骨にみえた。態度は堂々として、しかも磊落で、口のきき方も身振も、あたりを払うというようすである。そうして、孝之助夫妻には眼もくれなかった。

六の三