Classici giapponesi con furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Leggi 第二の接吻 (だいにのせっぷん) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.960 caratteri · 247 schermate
周囲の事情がみんな不利に動いていた。その上つかんでいるはずの倭文子の心が、彼の掌中でふわふわと動いているような気がした。
「お兄さま。ほんとうに、またいらして下さる?」
なみ子は、ふと顔を上げて、村川の方を見た。先刻とは、まるで違った哀願するような色が眸の中に動いていた。
「いいえ。僕は行かれません。」
「なぜ。」
「だって、僕は今日招待されて行ったのです。」
「一人じゃいらっしゃれないの?」
「むろんです。」
「まあ。」
「………」
「じゃ、これっきり?」
「だって、何も僕は……」
「ええ、そうだわ。あなたはご用はないでしょう。でも、わたしはお目にかかりたいの。」
「そのうち、お目にかかれるでしょう。」
「そのうちは、心細いわ。ねぇ、わたしの家の電話銀座の五五五よ。あなたお暇のときかけて下さいな。わたし、カフェでもどこへでも行くわ。ねぇ、かけて下さいね。」
村川は、だまっていた。
「ねぇ、銀座の五五五よ。覚えいいでしょう。わたし、昼間だったら、いつでも出られるの。」
自動車は、いつの間にか白山下へ来ていた。村川は、おどろいて車を止めた。
「ねぇ、ねぇ、きっと、お願いだから、げんまん!」