Classici giapponesi con furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Leggi 第二の接吻 (だいにのせっぷん) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.960 caratteri · 247 schermate
二
食べ物のお土産などを持って、村川は、それを頭から、追い斥けもしなかった。温良しい彼は、親切におだやかに応対した。女はいろいろに彼を誘惑した。結局彼は、彼女に唇一つ与えはしなかった。彼は、心の中に愛を感じ得ない女に、唇を与えるような白々しいことは出来なかった。
下加茂撮影所のスターとして光っていた園村春子、四條の菊水の女王と歌われていたお澄という女給、下宿の評判娘など、村川は若い女性から幾度手紙をもらったかわからなかった。
だが、そうした多くの誘惑から、常に浄き手をもって、逃れて来た。
実際また、男性に対して、そうした誘惑に出る女に、彼の求めているようなつつましさはなかった。
羞恥感情、それはヴィーナスの帯よりも女を美しくする。羞恥感情を亡くしたクレオパトラよりも、初心な田舎娘の方が、どれほど男の心を捕えるかわからない。
彼が、倭文子に強く惹きつけられたのも、彼女の満身にこぼれている処女らしい羞恥のためであるといってもよかった。
二
村川が、フランス刺繍を見つめながら、それを刺繍した倭文子の手付まで、空想していると、女中が、朝食のできたことを知らせて来た。