Classici giapponesi con furigana
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Leggi 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 73.583 caratteri · 149 schermate
「わたしが言ったんじゃありません」
「誰が言ったの、誰がそんな事を」
「仁王様なんです。法心寺の仁王様が言ったんです」
「馬鹿な事をお言いでない」
「本当なんです、近所で聞いてもわかります、もう十日も前からの評判なんですから」
仁王様が口を利く、そんな馬鹿な事があるはずはない。しかし定二郎の話はこうだった。
通油町から堀留の方へ二町あまり行くと法心寺という寺がある。その山門に「やもめ仁王」と俗に呼ばれる金剛力士の像が一体だけあった。五年ほど前の火事で一体は焼け、一体だけ残ったのを、寺が貧乏なためそのまま置いてある、それで「やもめ仁王」といわれているのだが、――それが十日ほどまえから、深夜になると啾々と歔欷きの声をあげるという噂が立った。
「深夜に仁王の像が泣く」
こんな奇怪な噂がひろまらぬはずはない。法心寺へ集まる人々は夜毎に数を増していった。
「わたしもはじめは嘘だと思ってたんですが、横町の魚源の三公が行ってたしかに泣くのを聞いて来たというもんですから、ゆうべお店が閉まってからそっと行ってみたんです。そうすると本当に仁王様が……」
「泣いたの? そしてあたしの事を親不孝だって言ったの?」