Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きんろう

金狼

久生 十蘭

Leggi 金狼 (きんろう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.438 caratteri · 179 schermate

Aozora Bunko

そんな、余計なことを……言いやがった奴は!」

「久我だ」

乾は歯がみをした。

〈ちくしょう〉それから、まるで唄でもうたっているような憐れっぽい口調ではじめた。

「……ああ、それで、わかった。……あいつ、あんたを煽てて、……あたしを、殺さすつもりなんだ。……あたしを殺し、それから、あんたをのっぴきならぬところへ、追いこもうという、これあ一石二鳥の詐略なんだ……。ここの理窟を……よく考えて見て、ください。……して見ると、絲満をやったのは、……やっぱり、久我だったんだ。……いまにして、思えば、あたしも、やっぱり煽てられていたんです。……まったく、あいつに教唆られ、やったことなんです……」

〈われながら巧いことを言った、と思った〉果して、喉がすこし楽になった。

古田の顔が、ぐっと近くなる。

「てめえ、それあ本当か」

そう言えば、すこし思いあたることもある、といった風だった。

「けして、嘘などは申しません。……いい齢をして、あんな青二才に教唆られたかと思うと、……あたしあ……」

なんだか泣けそうになってきた。

〈よし、泣いてやれ〉……工合よく涙が流れだしてきた。しゃくりあげて泣いた。