Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate
半刻(一時間)ばかりの後、軽い食事を済ました二人の虚無僧は、綺麗に勘定を払って二階から降りて来ました。
「有難う存じます、またどうぞ」
少しギコチないが、精いっぱいの世辞をふり撒く平次に、
「お年玉を貰おうかの」
若い方の虚無僧は手を出したのです。
「…………」
平次はハッとしました。何もかも残るところなく用意を整えた積りでしたが、お年玉の白い手拭と浅黄の手拭だけは、染める暇がなかったのでした。
「例年のことだが――」
平次の躊躇するのを見て、虚無僧の一人は屹となりました。
「お生憎様ですが、元日一日で出払ってしまいました」
「何、出払ってしまった。そんなはずはない。我々をなんと心得て仲間外れにするのだ」
「とんでもない――あ、ございました。一筋だけ残っておりました。少し皺くちゃになりましたが、これで御勘弁を願います」
平次は元日ここの帳場から、ガラッ八がくすねた浅黄の手拭を懐から出して、折目正しく畳み直し、用意の熨斗紙に包んで、恐る恐る差出しました。
「よしよし、皺になっても、貰いさえすれば。――それではまた逢おう」
「有難うございます。それでは、お静かに」
振り返りもせずに立去る二人の虚無僧を見送って、平次は思わず冷汗を拭きました。