Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate

Aozora Bunko

四

金六の指したのは、裏木戸から入って、見上げる形になった二階でした。厳重な格子がはまって、人の居る様子もありません。

「当人はどこに居るだろう」

と平次。

「親父が死んじゃ遊びにも出られない。つまらなそうな顔をして、先刻まで店にいたが」

何という嫌な空気の家でしょう。

「銭形の親分さん、御苦労様でございます。洲崎の親分さんにもお願いしましたが、何とかして一日も早く、兄の敵を討って下さいまし」

たまり兼ねた様子で、主人の弟――支配人の伝之助は庭に迎えました。なるほど四十三四の青髯、人相は凄まじいが、その割には腰の低い男です。

「お前さん、いつ髯を剃りなすったえ」

平次の問は唐突で予想外でした。

「ヘエ、三日前でございました。こんな騒ぎがなければ、今日は剃るはずでしたが――」

伝之助は恐縮した姿で顎を撫でております。

「剃刀はどこへ置きなさるんだ」

「風呂場の剃刀箱の中に入れております」

そんな事を訊いたところで、何の足しになりそうもありません。

四

次に平次が逢ったのは、番頭の文次でした。三十七八の狐のような感じのする男で、商売は上手かは知りませんが、決して人に好印象を与えるたちの人間ではありません。