Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate

Aozora Bunko

四

「心得た」

ガラッ八は気軽に飛んで行きます。

四

「親分」

後ろから静かに声を掛ける者があります。静かながら、妙に艶めかしい声、――平次はぼんのくぼを羽根で撫でられるような心持で振り返りました。

桜に松の交った道灌山道、月はかなり高く昇って、夢見るような朧の中には、誰もいません。

「誰だ」

平次は思わず足を停めます。

「親分、私を忘れちゃ、懐中の十手の手前義理が悪いでしょう。ホ、ホ」

取って付けたような笑いですが、それが例の羽根で撫でるような媚を、夜の空気に漂わせるのでした。

「お滝か」

平次は素気ない調子で言いました。王子のお滝という、名題の女巾着切、二十四五の豊満な肉体と、爛熟し切った媚態とで、重なる悪事をカムフラージュして行く、その道では知らぬ者のない大姐御です。

「お滝か――はないでしょう。銭形の親分さんともあろうものが、思案投首で、私のいるのも知らずに通り過ぎたりして」

「用事がなきゃ放っておいてくれ、俺は忙しい」

平次はクルリと背を向けて、そのまま行手を急ごうとすると、

「まア、待って下さいな、親分」

ヒラリと身を翻したお滝、平次の袖の下を潜るように先へ立塞がって大手を拡げます。