Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate
番頭は揉手をしながら、およそもっともらしい調子でこんな事を言うのでした。
「ハッハッハッ、ハッ、ハッ、――この平次が色気違いに見えるかえ、番頭さん」
「とんでもない親分さん」
「まア、いい、若い女の後を跟けて来たに違いないから、何と言われても一言もないよ、ところで、番頭さん」
「ヘエヘエ」
「今日、山の上であの騒ぎのある少し前に、馬道の良助が、ここで着物を変えたそうだ。それは、何刻だったろう」
平次は調子を戻して、大事な事を訊ねました。
「酉刻(午後六時)少し前でございましたよ。なア、お作」
「良助親分が女の着物を着て山へ行くと、間もなく酉刻が鳴りましたよ」
下女のお作というのが階子段へ片足かけたなりで応えます。
「敵討騒ぎのある前か後か」
「いえ、騒ぎがここへ聞えたのは、それから少し経ってからですが、馬道の良助親分が、女形になって山へ行ったのは、多分敵討騒ぎの最中だったでしょう」
「山へ行く時、ここへどんな物を預けて行ったえ」
「馬道の親分が、着ていたものだけでございました」
「フーム」
良助に対する疑いも次第に薄れて行きます。いや、佐野屋の番頭に訊くまでもなく、山の茶店の老爺の言うのが本当なら、宗次郎を殺した虚無僧は大男で、良助のような小男は、最初から疑いの圏外に置かるべきはずです。