Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate
「主人から貰う手当はどうなっているんだ」
「そんなものはございません。給金を貰えば奉公人じゃありませんか、――主人はよくそう申しました。この家をお前の家と思え、不自由なことや、欲しいものがあったら、何でも言うように――って、ホ、ホ」
隣の部屋に、その主人万兵衛の、怨みを呑んだ死体のあるのさえ、お直は忘れている様子です。
最後に店から呼出されたのは息子の万次郎でした。――不眠と不養生と、酒精で、眼の血走った、妙に気違い染みた顔は、馴れない者には、決して好い感じではありません。
「お前さんの、昨夜帰った時刻は、誰も知らないようだが、本当のところは、何刻だったろう」
平次は、穏やかですが、突っ込んだ物の訊きようをします。
「今朝でしたよ、辰刻(八時)頃でしょうか――」
「誰も見た者がないのはおかしいが――」
「親父が死んで、大騒動していたんで、気が付かなかったのでしょうよ。――私は真っ直ぐに二階へ行って、昨夜から敷きっ放しの床の中に潜り込んでしまいました」
「誰にも見られないというのは可怪しい。それに、店にはお前さんの履物も無かったようだが」
平次は一と押し押してみました。