Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate
店の次の八畳、古い道具の多い部屋ですが、灯が点くと、それでも少しは華やかになります。
「八、お直を呼んでくれ」
「合点」
八五郎は柄に似合わず軽快に飛んで行くとまもなく妾のお直を伴れて――いや、お直に引摺られるように入って来ました。
「お前さんの手文庫の中から、小判で二百三十両ほど出て来たが、あれはどうした金だい」
平次はこの念入りに化粧した顔を、出来の悪い人形でも見るような冷淡な眼で、ツクヅク眺め入りながら問いかけました。
「私のお小遣ですよ」
「大層多いようだが――」
「でも、あれくらいは持っていないと心細いでしょう。ホ、ホ」
隣室に万兵衛の死骸のあることを、この女はまた忘れた様子です。
「お前さんは万兵衛と喧嘩をしていた、どうかしたら近いうちに捨てられたかも知れないぜ――」
「冗談でしょう、親分さん」
「お前は、この家の跡取りの万次郎とは仲が悪かったそうだね」
平次は話題を一転しました。
「継しい仲ですもの、それはね――」
白粉の首を襟に埋めて、妙に感慨無量なポーズになります。
「主人には嫌われ、息子とは仲が悪い、――お前の行くところはなくなっていた」
「そんな事はありませんよ、親分」