Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate
「気の毒だがそうさして貰おう」
平次はガラッ八をさし招くと、二人で狭い家の中を捜し始めました。
ガラクタの山のような店から、たった一と間の居間、お勝手、狭いといっても、商売柄道具が多いので、相当の手間を取りますが、翡翠のような美しい青磁の香炉というのですから、外のものと紛れるはずもありません。
床下から天井裏から、水瓶の中までも覗いて、一刻(二時間)ばかり後には、
「無い」
平次とガラッ八は、元の店に顔を見合せておりました。与次郎はおどおどしながらそれを眺めるばかり、娘のお糸は、見るに堪えない様子ながら、逃げも隠れもならず、美しい顔を反けがちに、この傍若無人な家捜しの済むのを待っております。
「親分、香炉は擬い備前焼のと、銅のと、たった二つきりで青磁なんかありませんぜ」
ガラッ八も少し不平そうです。この気品の高い娘の怒りの前に、いつまで続く家捜しでしょう。
「よし、よし、これも念のためだ。玉屋にもここにも無く、外から盗人の入った様子もないとすると、消えて無くなったとでも思わなきゃなるまい。こんな事で引揚げようか、八」
なんという器量の悪さ、二人はスゴスゴと神田へ引揚げます。