Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate
三
「お絹さん」
「父親の信用していたのは」
「私と、手代の駒吉でございました」
「…………」
平次は黙って外へ出ました。続くガラッ八とお糸、――その足には、お静の貸してくれた駒下駄を突っかけていたことは言うまでもありません。
三
入谷へ行き着いたのは午過ぎ、役人は帰ってしまって、三輪の万七とその子分のお神楽の清吉が、弔い客を睨め廻すように入口の一と間に陣取っておりました。
「お、銭形の、また手柄をさらいに来たんじゃあるまいね」
三輪の万七は近頃腐り切って、ヒステリックになっている様子です。
「そんなわけじゃない。少し聞き込んだことがあるから、万七親分に話しておこうと思って来たのさ」
平次は穏やかな調子で、下手に出ました。手柄や功名は誰にさしても、それは大した問題ではありません。事件の真相を突止めて、悪い者に思い知らせてやるのが、平次の十手捕縄にかけた、唯一の望みだったのです。
「聞き込んだことは?」
「五兵衛は左利きでもなんでもないのに、左首筋に短刀を突き立てたのは変じゃないかね、三輪の」
「そんな事を言ったって、右手の短刀を、自分の左の首筋へ突っ立てられないこともあるまい」