Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 142.597 caratteri · 289 schermate

Aozora Bunko

「そんな事があるものか、雪駄が片っぽお倉の家にあるというのに、勘兵衛の足袋は両方とも底が綺麗だぜ」

「あッ」

「そんな事を言っていると、三輪の親分に笑われるばかりだ――」

「それじゃ親分」

「勘兵衛を殺したのは大の男さ、――それより、地獄極楽の小屋へ行って、見付けたいものがある、――ちょうどお役人が見えたようだ、ここはお任せして引揚げようか」

「…………」

平次の明察の底の深さを知っているガラッ八は、そのまま黙って後ろに従いました。そこから五六町、小屋は尾上町の角、川沿いの空地に区画を施した、半永久的の粗末な建物だったのです。

二人が小屋へ入った時は、まだ木戸を開けたばかり、お倉に比べると一向魅力のない大年増が、型のごとく塩辛声を振り絞っておりますが、どうした事か、更に客の入る様子はありません。

「御免よ」

「ヘエ、いらっしゃい」

「客じゃねえ」

「おや、銭形の親分さん、おみそれ申しました、どうぞこちらへ」

「又六師匠はこちらへ来なさるかえ」

「毎日参りますが、たいがい夕方で」

「収入の勘定だろうね、まア繁昌で結構だ」

「ヘエ――、どういたしまして」

又六の弟子で、小屋の取締りを兼ねている、中年者の巳之吉はヒョコヒョコと卑屈らしく小腰を屈めました。