Classici giapponesi con furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Leggi 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.438 caratteri · 238 schermate
しかしこの井戸が最も深く、水もまた最も清冽で、どんな旱魃にもかつて涸れたことがないので、この屋敷では清水の井戸といっていた。
その井戸を汲みほそうとするのであるから、容易なことでないのは判り切っていた。汲んでも、汲んでも、あとから湧き出してくる水の多いのに、奉公人どももほとほと持て余してしまったが、それでも大勢の力で、水嵩はふだんよりも余ほど減って来た。
底にはどんな怪物がひそんでいるか、池の主といったような鯉かなまずか、それともがまかいもりかなどと、諸人が想像していたような物の姿は、どうも見いだされそうもないので、吉左衛門は更に命令した。
「熊手をおろしてみろ。」
鉄の熊手は太い綱をつけて井戸の底へ繰下げられた。なにか引っかかる物はないかと、幾たびか引っ掻きまわしているうちに、小さい割には重いものが熊手にかかって引揚げられたので、明るい日光の下で大勢が眼をあつめて見ると、それは小さい鏡であった。鏡はよほど古いものらしく、しかも高貴の人が持っていた品であるらしいのは、それに精巧な彫刻などが施してあるのを見ても知られた。まだ何か出るかも知れないというので、さらに熊手をおろして探ると、また一面の鏡が引揚げられた。