Classici giapponesi con furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Leggi 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.438 caratteri · 238 schermate
母は女中たちを呼びおこして、台所から水を汲んで来て井田さんの手足を洗わせる。ほかの寝衣を着かえさせる。暫くごたごたした後に、井田さんもようよう落ちついて、水を一杯くれという。水を飲んでほっとしたようでしたが、それでも井田さんの顔はまだ水色をしていました。
「おまえ達はもういいから、あっちへ行ってお休み。」
父は女中たちを部屋へさがらせて、それから井田さんにむかって一体どうしたのかと訊きますと、井田さんは低い声で言い出しました。
「どうもたびたび、お騒がせ申しまして相済みません。さっきも申した通り、あの四畳半の離れに寝かしていただいて、枕についてうとうと眠ったかと思いますと、急になんだか寝苦しくなって、誰かが髪の毛をつかんで引抜くように思われるので、夢中で声をあげますと、それがあなた方にも聞えまして、宗匠がわざわざ起きて来て下さいました。宗匠は夢でも見たのだろうとおっしゃいましたが、夢か現か自分にもはっきりとは判りませんでした。それから再び枕につきましたが、どうも眼が冴えて眠られません。幾度も寝がえりをしているうちに、またなんだか胸が重っ苦しくなって、髪の毛が掻きむしられるように思われますので、今度は一生懸命になって、からだを半分起き直らせて、枕もとをじっと窺いますと、暗いなかで何か光るものがあります。