Classici giapponesi con furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Leggi 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.438 caratteri · 238 schermate
「あなた一人でなく、現にわたくしも見たのですから、心の迷いとか、眼のせいだとかいう訳にはいきません。」と、父は箸をやすめて言いました。「それで思いあたることは、あの面を売った士族の人が、いつの頃に誰がしたのか知らないが、猿の面には白布をきせて目隠しをしてあったと言いました。そのときには別になんとも思いませんでしたが、今になって考えると、あの猿の眼には何かの不思議があるので、それで目隠しをしておいたのかも知れません。」
「はあ、そんな事がありましたか。」と、井田さんも箸をやすめて考えていました。「そういう訳では、売った人の居どころはわかりますまいね。」
「判りません。なにしろおとどしの暮れのことですから、その後にも広小路をたびたび通りましたが、そんな古道具屋のすがたを再び見かけたことはありませんでした。商売の場所をかえたか、それとも在所へでも引っ込んだかでしょうね。」
御飯が済んでから、父と井田さんは離れへ行って、明るい所で猿の仮面の正体を見届けることになりましたので、母もわたくしも女中たちも怖いもの見たさに、あとからそっと付いて行って遠くから覗いておりますと、父も井田さんも声をそろえて、どうも不思議だ不思議だと言っています。