Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.100 caratteri · 523 schermate
なかには、原士千石といわれるほどな豪族もある。
その千石ほどな家柄を潰して、三都諸国を流浪のあげく、この春頃から御番城のある大阪の河岸すじを夜な夜な脅かしているお十夜孫兵衛。
京橋口の松並木で、目明し万吉を子供あつかいになぶった上、「さ、召捕らねえのか」と嘲りながら、斬ると見せた太刀を鞘に納め、針金のように、ピンと張った捕縄の端を一尋手繰ってグンと引いた。
「くそウ!」と万吉は死力でこらえる。
目明し仲間でも、少しは顔を売ったかれが、捕縄を捨てて逃げたといわれては男のすたりだ。――そこを狙って孫兵衛がポンと放したから他愛もなく、
「あッ」と万吉がよろけ足をふんだ、と同時に、生き物のようにはね返ってきた縄尻が、どうする間もなくグルグルと巻きついた。
そして、縛るのが商売の目明し万吉、あべこべに孫兵衛のために捻じつけられ、両手両足、ギリギリ巻きにくくられてしまった。
「殺せ、殺してくれ」とかれが歯噛みをするのを聞き流して、暗い川面をのぞいていた孫兵衛、一つ二つ軽く手を鳴らすと、いつかの晩のような約束で、三次の船がギイと寄ってきた。
「兄貴、何をバタクサしていたのよ!」