Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.100 caratteri · 523 schermate
天満浪人
――と思えばいよいよ命が惜しい。
「駄目だ、こいつア!」三次は棒切れを投げて、「骨を折って口を開かせたところで、大したこともなさそうだ」と孫兵衛の断刀を催促する。お綱だけは、何だか可哀そうに思えた。
「助けておあげな……」おとなしく口を入れた。
「一人や半分の目明しを殺したところで、大びらに悪事ができるわけじゃなし……ね、皆さん、後生だから助けておやりよ」
「とんでもねえこった!」三次が首を振った。
「こいつを返しゃ、俺たちの根城が分る、すぐ御用提灯の鈴なりで、逆襲せのくるのは知れている。兄貴、早く殺ってしまわねえととんだことになるぜ」
「うん!」とその注意にうなずいた孫兵衛は、血脂は古く錵の色は生新しい、そぼろ助広の一刀をギラリと抜いて鞘を縁側へ残し、右手の雫の垂れそうなのを引っさげて、しずしずと椎の下へ歩みだした。
天満浪人
役目不心得につきお咎――という不名誉な譴責のもとに、退役同様な身の七年間、鳩を飼って、鳩を相手に暮らしてきた同心である。
姓は俵、名は一八郎、三十四、五の男盛り、九条村の閑宅にこもって以来、鳩使いとなりすまし、京の比叡、飾磨の浜、遠くは丹波あたりまで出かけて、手飼いの鳩を放して自在に馴らしている。