Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.100 caratteri · 523 schermate
「そうまでお惚れなさいましたか」
「ばかを申せ。ウーム、これや重い!」
「恋の貫目でございますもの。わっしのほうがなお重い!」
「つまずくなよ」
「まッ暗だア、色情の闇路」
「ソレ、そこに繋いである見張舟へ……」
「旦那、わっしが先へ下りますから、手をはずさないでいておくんなさい……はずしてドボンと沈めたところで、この宅助は元々だが、旦那が浮かばれねえでしょう」
小舟の中へ、ドンと長櫃を下ろした時だ。
物蔭から走りだした法月弦之丞。
「待てッ」
繋綱を解きかけている宅助をほうり投げ、驚く啓之助を突きのけて、舟の中へ躍りこもうとした。
かねて、目明し万吉から仔細を聞いていた俵同心とその妹、また片恋の不愍な女も、事のついでに救って行こうとしたのだが、人の運命はともあれ、彼自身の危機が、すでにそこへ迫っていたのは是非もない……。
闇を、低く流れてくるのは槍である。閃々と横に光を刻んでくるのは白刃である。
蜂須賀名物の猛者、原士の者や若侍の面々。曲者がお船蔵の方へ駈け抜けたときいて、天堂一角をまッ先に、今、ここへ殺到した。
先の一角がピタと足をとめて、
「おおあれだッ――法月弦之丞!」