Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Leggi 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.100 caratteri · 523 schermate

Aozora Bunko

と天堂一角が、少し凄味をみせた気で、弦之丞へ捨てぜりふを投げたのをきッかけに、お十夜、周馬の三人組、互に目くばせをし合って、スタスタと辻から横丁へ立ち去ってしまった。

かかるいきさつの間に、角兵衛獅子のお三輪と乙吉は、賢い気転をきかして、人立ちのした間かどこかへ素早く姿をひそめている。

「なんだ、ばかばかしい……」

群集は失望した。

「あの按配では、さだめし斬合いになるだろうと思っていたら、イヤに馴れ合ってしまやがった」弥次馬声をヒソヒソ交わして、皆ちりぢりに歩きだした。――弦之丞は禁じ得ぬ微苦笑を笠のうちに隠して、誰よりも大股に上野の山の裾にそって急ぎ足になる――。

それを見つけるとお綱も急に、「万吉さん、早く行かないと、法月さんの姿を見失ってしまう……」人を縫って小走りに追い慕った。そのあわてようを見ると万吉は、あれほど、気の勝っている見返りお綱も、恋という魅力のためには、こうももろくなるものかと、心でおかしく思いながら、

「なアに、もう急ぐことはねえ。弦之丞様の帰る先は、いずれ一月寺ときまっている。それに、向うもこっちもなるたけ世間から忍んでいたい体だ。