Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Leggi 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.100 caratteri · 523 schermate

Aozora Bunko

この、街道口まで、わざわざ見送ってきた常木鴻山は、いよいよ夜にまぎれて江戸を立つ二人の者へ、何くれとない注意を与える。

お綱は、姿も形もそのままな上に、寝ているところを起こした立場茶屋から、笠とわらじと杖だけを求め、床几を借りて、はきなれぬわらじの紐を結んでいた。

支度がすむと、やがて二人は笠を揃えて、常木鴻山の前に立ち、情け深い今日の取りなしに真心からの礼をのべる。

「おお、お綱殿にも堅固にして、どうぞ、無事に、お父上に会われてまいるよう、鴻山も、蔭ながら祈りますぞ」

「何から何までのお心尽し、たとえ、途中で阿波の土となりましょうとも、決して忘れは致しません」

「なアに鴻山様、たとえ体が舎利になっても、きっと、剣山まで行きついて、望みを達してまいりますから、どうか、御安心なすって下さいまし」

「遍路切手がある以上は、関所や便船になやむことはあるまいが、飽くまでもと、そちや弦之丞殿をつけ狙っている者もあることゆえ、ひとたび江戸を踏みだした後は、いっそう油断をしてはならぬぞ」

「よく承知いたしております。では鴻山様、めでたく大事を成し遂げて立ち帰りました後に、また改めてお目にかかります」