Classici giapponesi con furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate
「おめえいったいなに者なんだ」と男が云った、「さっきは海を見に来ただけだと云ったが、本当はそれだけじゃあねえな」
「悪かった、おれが悪かった」栄二はそう云いながらうしろへさがった、「どうやらなにか聞き違えたらしい、邪魔はしないよ、おれはもう帰るから勘弁してくれ」
そしてゆっくり歩きだした。
畑のあいだを戻ってゆくと、どこに隠れていたのか、万吉が出て来て肩を並べた。いまのを聞いたか、と栄二が云った。うん聞いた、わけがわからねえ、と万吉は首を捻った。
「おめえは騙されたんだ」
「そんな筈はねえんだ」と万吉が云った、「松つぁんはそんな男じゃあねえんだから」
「いま見たことはどうだ」
「だからわけがわからねえ」万吉は首をかしげながら云った、「さっき話したことは松つぁんばかりじゃあねえ、あのおとよって女からも聞いたんだ、あたしたちではどうにもならない、なんとかこぶを近よせないようにはできないものだろうかって」
栄二は振り向いて万吉を見た、「それがいまあそこにいた女か」
「おれは幾たびも話したことがあるんだ」
栄二はこぶの巨躯と、当惑したような口ぶりを思い返しながら、おまえはいい男だよ、と万吉に向って云った。