Classici giapponesi con furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate
おすえは昂奮のために乾いた唇を舐め、思うように舌が動かないのをもどかしがるような、せきこんだ口ぶりで云った、「――あんたがみえなくなってから、さぶちゃんは仕事の暇をみてあんたを捜しまわったのよ、あたしはあんたに云われたとおり、金杉のうちへ帰ってたわ、ええ、あんたの荷物やお金も金杉のうちで大事に預かってます」
さぶは心配させまいと思って、栄二が行方不明だということをおすえには知らせなかった。そして休みの日や仕事の終ったあと、心当りを飽きずにたずね廻ったが、綿文がよっぽど周到に手を打ったのだろう、まるで煙になって消えでもしたように、栄二の消息はどこでもつかむことができなかった。
「あたしのうちへも来てくれました」とおすえは続けた、「あたしのほうになにか知らせがありはしないかと、ようすをみに来たんでしょうけれど、そんなそぶりはこれっぽっちもみせないで、栄さんは息抜きをするために上方のほうへいっているなんて、さもさも本当らしく云ってあたしを安心させようとしていたんです」
そうするうちに正月、二月と過ぎて三月二日、宵節句に綿文から招きがあり、主人の芳兵衛の供でさぶが本町のお店へいった。