Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate

Aozora Bunko

こういう考えが心にうかぶと、彼はなんとなく胸がひろがって、呼吸が楽になるように感じ、また、新しく眼の前にあらわれた広い展望の山河が、少しずつ見わけられるようなおちつきを感じた。

けがをしてから二十日ほど経った或る日、岡安喜兵衛がみまいに来た。栄二は起き直って礼を述べた。足は副木を当てた上から晒木綿が巻いてあるので、まだ坐ることはできなかったが、三日まえから、食事のときは起き直って喰べるようになっていた。

「おすえという娘が、ずっとたずねて来ていたことは承知だろうな」と岡安は続けて云った、「――きまった日にきちんと、差入れの品が届いていたから知らない筈はないと思うが」

栄二は俯向いて「へえ」と答えた。

「じつを云うと私も、おまえがけがをしたことは黙っていた」と岡安は云った、「――あの娘に心配させては可哀そうだと思ったからだ、けれどもこのまえ、けがの経過が順調だと聞いたので、あらましのことを話した」

栄二は眼をあげて岡安を見た。

「すると今日」岡安は栄二の眼を穏やかに見返して続けた、「おすえの代りに、いつかのさぶという者が来た、いまこの表まで来ているのだが、会ってやるだろうな」