Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Leggi さぶ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 210.521 caratteri · 415 schermate

Aozora Bunko

「動くなよ」栄二は瞼の上へ当てた指に少しずつ力を入れながら云った、「動くとこの指をこのまま突込むぞ」

「とめてくれ、勝あにい」と栄二の下で男が悲鳴をあげた、「おれの眼が潰されちゃいそうだよ」

「てめえたちなんの用だ」と栄二が云った、「はっきり云え、話をつけるたあなんのこった」

「おのぶのことだよ」と棒立ちになった男が、まだ右手を振りながら、追従するような口ぶりで答えた、「すみよしにいるおのぶだ、そう云えばわかるだろう」

「おのぶがどうした」とさぶは立ちながら反問した。

「おらあおのぶの兄だ」とその男は云った、「おのぶには去年から、嫁にゆく約束の相手があるんだ、それだのにあにいたちが来るようになってから、急にあいつがいやだなんて云い始めたんだ」

このあいだに栄二は、すぐ向うに棒きれのあるのをみつけていた。男は話し続け、栄二はすばやく、組み伏せていた男を放してはね起きると、その棒きれを地面から拾って、右手に構えた。薪の荷からでも落ちたのだろう、太さ二寸あまり、長さ三尺ばかりの楢の枝であった。

「どうするんだ」話し続けていた男は、栄二のようすを見て、右手を前へ出しながら吃った、「おらもう乱暴はしねえよ、話を聞いてもらってるだけだ、わけを話してるだけじゃねえか」