Classici giapponesi con furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Leggi ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) di 永井 隆 (ながいたかし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.351 caratteri · 213 schermate
庭に散らばったれんがや焼けぼっくいなんか片づけなさいよ。庭どころかい、畑の手入れもまだすまぬのだ。その不精ひげをそったらいいでしょう。──へん、この焼け跡を歩くのに紳士面せにゃならんかね。この風呂敷包み、もう少しきちんと整理できませんか?──ちぇっ、うるさいね。戦災バラックはこれでちょうどいいんだよ。文化住宅じゃあるまいし。──」
「ううむ。私の言いそうな答えだ」
「──スリッパが無いと注意してくれるけれど、便所はあるんだぞ。その便所を建てるのにどれだけ苦労したのか君知っとるかい? 二千円や三千円の金ではできないよ。便所さえあれば、スリッパは無くても用は足せるじゃないか? これが戦災者生活ってものだ。庭があの日のままだと言うが、庭なんて元来無用のものだ、なくても事欠かぬ。それにああして、あの日のままれんがや電線やトタンが散らばっているのも一つの記念すべき情景だね。この不精ひげ? この黒い耳?──ぼくらは労働者だよ。ひげもそらず、耳も洗わず、営々として復興工事に働いているんだ。部屋の整頓をしろと言われたって、この狭い家では手のつけようもないじゃないか? とにかく無一物からこれだけの物資を集めただけでも大したもんだ。