Classici giapponesi con furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Leggi ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) di 永井 隆 (ながいたかし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.351 caratteri · 213 schermate
美しい羽をひらひらさせながら、そら、舞い下ってゆく。どこへおりるのかな。ああいます、ほら、菜種にとまって、もう一羽の揚羽が。パタリパタリ美しい羽をひらいて招いている。ね、美しいですね。さんさんと照りそそぐ春の陽をあびて、虫どもの公明正大な性行為は。──揚羽ちょうの一生をごぞんじでしょう。卵、青虫、さなぎ、どれも地味な、美しくない姿ですね。ただ性をいとなむあの、ちょうの期間だけあんなに美しく装うのです。動物も植物も性をいとなむ時期のみ特別に美しくなります。花咲き、鳥歌い、虫おどる春の美しさは、つまり性の美しさなんですよ。
人もまた同じ、青春の美しさ、あなたのような青年の美しさ、潔さ、尊さ、昔から幾千幾万の画家が、彫刻家が、文学者が、また音楽家が、青春男女の美をうたったことでしょう!
性に伴う青春の美しさは何ものに由来するでしょうか? 唯物論を奉ずる生物学者は、異性をひきつけるためだと言います。もし単にそれだけならば、各生物は自分で好きなように工夫することができるはずです。
ところがあの揚羽は自分勝手にその羽に一点の模様をも増すことはできぬのです。若い女はくちびるの色を思うままに赤く変えることができぬのです──この美は被造物たる生物の力で生み出すものではありません。