Classici giapponesi con furigana
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さんがいばんれいとう
三界万霊塔
久生 十蘭
Leggi 三界万霊塔 (さんがいばんれいとう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.716 caratteri · 39 schermate
三
深尾は苦り切ったが、山崎は昂奮してたずねた。
「仕込みって、どのくらいありゃいいんだろう」
「とりあえず百ポンドもあれァ、カップ・レースで穴をあてて、要るだけぐらいのものはつくれるんだ」
「そうか。諸君には申訳ないが、実はいよいよという場合の命金に、百ポンドだけ隠して持っているんだ。半年で万になるというなら、死んだ気で出すよ。出す、出す」
山崎が子供のような金切声で絶叫した。
三
いかなる悪魔の厚意によってか、見事に賞典競馬の穴をあて、百ポンドが千ポンド余りになって返ってきた。ちょうど季節は十一月、ラガー船隊が休養と来年の仕込みに根拠地へ引揚げて来る時期なので、折がいいとばかりにすぐメルボーンを出発し、濠洲を南から北西へ半周してブルームへ行った。
船はスミス兄弟商会の「スタア」号という百五十屯のスクウナーを傭船することにしたが、肝心の潜水夫のほうがうまくいかない。濠洲人の経営者が一シーズン前払いで百ポンドなどと馬鹿な釣りあげかたをしてしまったので、それ以下ではてんで振り向こうともしない。親ダイバー、子ダイバーという言葉があるくらいで、ダイバーとして育て育てられると、親子同様の関係になり、親ダイバーの死水は子ダイバーがとるもの、潜水病にかかって海に入れなくなると子ダイバーが終生その面倒をみるというような固い結果