Classici giapponesi con furigana
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さんがいばんれいとう
三界万霊塔
久生 十蘭
Leggi 三界万霊塔 (さんがいばんれいとう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.716 caratteri · 39 schermate
船長は、あれからもまただいぶ死んだらしいから、当分火葬がつづくだろうといっていたが、次の夜も火花が見えた。
翌朝、海辺族の酋長が独木舟で船へやってきて、村で疫病が流行し、土人がどんどん死ぬからなんとか防疫の処置を講じてもらえまいかと頼みにきた。山崎が承知して酋長といっしょに出掛けて行ったが、三時間ほどして帰ってきた。
「土人たちは火葬にくる船団の連中を襲撃するらしいね。僕、これは疫病でもなんでもない、誰か井戸へ毒を投げこんだものがあると、豚に水を飲ませて実験して見せてやったら、さすがに温良な海辺族も気ちがいみたいに腹をたてていたよ」
小心者の図太さといった拗ねた調子でいうと、船長は、
「温良なんてことはないよ。人肉を食わないというだけで、あれでなかなか陰険なんだ。七年ほど前、ニュウジーランドのコプラ船の乗組をみな殺しにしたことが発覚して砲艦に村を焼かれてから、表面はおとなしくしているが、わかりさえしなけれァ、どんなひどいことだって平気でやりかねないやつらなんだ」
と恍けると、山崎は悪く落着いて、
「そんなことになったら寝ざめが悪いね。そうまでする気はなかったんだが」