Classici giapponesi con furigana
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さんがいばんれいとう
三界万霊塔
久生 十蘭
Leggi 三界万霊塔 (さんがいばんれいとう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.716 caratteri · 39 schermate
ふしぎなご縁でございます。わたくしの家に泊っている間、みなさんいつも競馬へ行きましたね」
深尾はムラムラしてきて、いきなり怒鳴りつけた。
「よせよせ、恍けるな。早く噛みついて来い。おれが恐れているとでも思っているのか。これでもマライタの海の底で、五人からダイバーを殺したこともある男なんだぞ。てめえがなんだ」
マックスが心配そうに深尾の顔をのぞいた。
「深尾さん、あなたオカゲンが悪いのではありませんですか。女中さんを呼びましょう。お顔の色が悪いです」
深尾はマックスの顔を手で押しのけると、矢庭に部屋から走りだした。どこかに万霊塔を囲んだ五人の写真があったはずだ。あれを見せてやらなければ死んでも死にきれないような気がし、奥の居間へ行って手箱をひっくりかえしてその写真をさがしだすと、息せき切って広縁へ駆け戻ってきた。いきなり写真を卓の上に投げつけ、
「おい、マックス、おれを告訴するんだって。証拠があるのか。あるまいね。証拠、証拠というなら、せめてこれくらいのものを集めてみろ。この石塔はマライタの貝床の十二尋の海の底の岩の上に立っているんだぜ。行って見届けて来い。