Classici giapponesi con furigana
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さんがいばんれいとう
三界万霊塔
久生 十蘭
Leggi 三界万霊塔 (さんがいばんれいとう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.716 caratteri · 39 schermate
なるたけならボロをだしたくないよ」
「お前もだいぶもうろくしたな。人権擁護局がどうだって、ソロモンあたりのことまで受付けていったら手が廻りきれんだろう。新聞社へ駆けこんだって、十年前の話じゃ、ニュウス・ヴァリュウもなにもない。鼻であしらわれるのが落だ。山崎が証人になるといったって、あいつはもうたいした老いぼれだろう。六十五ぐらいかな。それに、いちど気が変になったことがあるんだから、証人の資格はない。クウンスヴィルの州立病院に当時の診断書があるはずだから、照会すればすぐわかることだ。よけいな心配をするな。放っておけばいいんだ。なにが出来るもんか」
「そうかネ、それもそうだ。お前がそういうなら、おれもその気になっていよう。なにもこっちが先に立ってあわてることはないからネ。余計なことだ」
「君子さんの式は来月だったか。この間、そう聞いたような気がするが」
「来月の十五日だ。麻布のカトリック教会でやる。先方の希望でネ。それまではぶっくらけえらねえように気をつけるつもりだ。じゃ、おれは帰る。近いうちに一度やって来い。なるたけ早いほうがいい」
深尾は戸田を玄関まで送って広縁へ戻ると、葉巻に火をつけ、庭へおりて地境のほうへぶらぶら歩いていった。