Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate

Aozora Bunko

となかば問いかける忠相の話を無視して、かれはうふふとふくみわらいをしながら、勝手に話題を一転した。

「お奉行さまもええが、小うるさい件が山ほどあろうな」

「うむ。山ほどある。たまには今夜のように庭から来て、知恵をかしてくれ」

「まっぴらだ。天下を奪った大盗のために箒一本銭百文の小盗を罰して何がおもしろい?」

こう聞くと、忠相が厳然とすわりなおした。

「天下は、呉越いずれが治めても天下である。法は自立だ」

「それが昔からおぬしのお定り文句だった、ははははは」

「越前、かつて人を罰したことはない。人の罪を罰する。いや、人をして罪に趨らしめた世を罰する――日夜かくありたいと神明に祈っておる」

泰軒は忠相の眼前で両手を振りたてた。

「うわあ! 助からんぞ! わかった、わかった、理屈はわかった! だがなあ、聞けよおぬし、人間一悟門に到達してすべてがうるさくなった時はどうする? うん? 白雲先生ではないが、旧書をたずさえ取って旧隠に帰る……」

「野花啼鳥一般の春、か」

と忠相がひきとると、ふたりは湧然と声を合わせて笑って、切りおとすように泰軒がいった。

「おぬしも、まだこの心境には遠いな」