Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
そばへ寄りゃあ、かたっぱしからぶった斬るぞッ! どいたどいたッ!」
この勢いに辟易して、みな路をあけるばかり……誰ひとりとび出す者はいない。女子供の悲鳴、ごった返す人垣。としの市の真ん中にたいへんな騒ぎが勃発した。
これがつづみの与吉――とは知らないが、抜刀をかざす男が近づくとみるや、大作は身を挺して前へ出るなり、すばやく忠相をかばって柄に手をかける。
「善ちゃん! こっち! こっち! 早くッ!」
忠相の耳の下で黄いろい声が破裂した。商家の内儀風の若い女が、この騒動ではぐれたらしく、その時、むこう側からヨチヨチと中間の空地を横ぎりかけた四、五歳の小児を死にもの狂いに呼んでいるのだ。
与吉は刀身を陽にきらめかせて、もう鼻のさきへ迫ってきている。
「善ちゃん、危ないッ! いいからお帰り! そっちにッ!」
と女が叫んだ刹那、忠相はヒラリと大作の守護を脱して、あれよという間に、通りみちにまごつく善ちゃんを抱きかかえて向う側へ飛びこんだ。
同時に!
与吉と、与吉の道中差しは、鉄砲玉のように空になって疾駆し去った。
とおりがかりの浪人や鳶の者がぶつかりあいながら与吉を追っかけて行く。