Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
カッ! と血が頭脳にのぼっているらしい栄三郎、人浪を押しわけてよろめき進む。男をはねのける。女はつきとばす、子供も蹴散らしてゆくがむしゃらぶり。
忠相も、いそいでそれに続いたが、嫌というほど誰かの足を踏んで、痛いッ! と泣き声をあげられた時は、大岡越前守忠相、にこやかな笑顔を向けて丁寧に詫びた。
しかし、
駒形を行きつくして、浅草橋近くなったころは、与吉も追っ手も影を失って、栄三郎もはじめてあきらめたものか、悄然とゆるんだ歩を、そこから折れて瓦町のとある露地へ運び入れた……市のにぎわいをうしろに。
忠相が後から声をかけた。
「彼奴、稀代の韋駄天、駿足でござるな、はははは、それはそうと、貴殿、落とし物はござらぬかの?」
振り返った栄三郎は、そこに、見おぼえのない上品な武士が立っているので、思わずむっとして問い返した。
「拙者に何か仰せられましたか」
「いや、ただいまのさわぎ……彼者は、貴殿にこの書面を捻じこんでいったに相違ござるまいと存ずる。なに、これはただ拙者の推量だが、はははは、いかがでござるな?」
との忠相の言葉に、栄三郎は、はっと気がついたようにじろりと忠相を見やりながら踵をめぐらそうとしたが!