Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
ははははは」
「冗談じゃあねえ。俺あ今晩ここに、おれの一身と、さる北境の大藩とに関する一大密事をぶちまけようと思ってるんだ」
前かがみに突然陣太刀作りの乾雲丸を突き出した左膳。
「さ、此刀だ! 話の緒というのは」
と語り出した。源十郎が、灯心を摘んで油をくれると、ジジジジイと新しい光に、濃い暁闇が部屋の四隅へ退く。が、障子越しの廊下にたたずんでいる人影には、二人とも気がつかなかった。
左膳の言葉。
この風のごとき浪士丹下左膳、じつは、江戸の東北七十六里、奥州中村六万石、相馬大膳亮殿の家臣が、主君の秘命をおびて府内へ潜入している仮りの相であった。
で、その用向きとは?
れっきとした藩士が、なぜ身を痩狗の形にやつして、お江戸八百八丁の砂ほこりに、雨に、陽に、さらさなければならなかったか。
そこには、何かしら相当の原因があるはず。
珍しく正座した左膳の態度につりこまれて、源十郎の顔からも薄笑いが消えた。
二人を包む深沈たる夜気に、はや東雲の色が動いている。
ただ廊下に立ち聞くおさよは、相馬中村と聞いて、危うく口を逃げようとしたおどろきの声を、ぐっと両掌で押し戻した。