Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
は最初から変わらぬ一徹恋慕のこころであった。
恋はいろいろに動く。
ことにお藤のような女においては、いっさいの有かいっさいの無、抱きしめる手でそのまま殺すことも彼女にとっては同じだったが、さすがに殺しは得ずして助けて来た左膳、日々近く手もとにおいてみると、もとより嫌いでないどころか、こうして危い江戸をも見捨て得ずに今日こんな苦労を重ねているのも、もとはといえばみんなだれゆえ左膳ゆえのことだから、うば桜のお藤、手練手管のかぎりをつくして、ひたすら左膳の意を迎え、心をとらえようと腕によりをかけだしたのだった。
しかも、左膳の慕う弥生が行方知れずになっているいま。
かれの胸中から弥生のまぼろしを駆逐して左膳をわが物とするはこの機であると、そこでお藤、宵から降り出した雪を幸い栄三郎方の裏口に張り込んで、左膳のために脇差坤竜を盗み出したのだが!
いったい左膳とお藤は今どこに隠れているのか?
浅草のお藤の隠れ家?
否! お藤はあれからずっと家へ立ち寄らずに、留守宅にはつづみの与の公が今日か明日かとお藤の帰りを待ちわびているはずだ。
してみると剣鬼と女妖、この広い江戸のどこにひそんでいるのだろう?