Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
松島やああ松島や松島や……」
「春に向かって松島見物とは結構な身分だな」
「ナニ、あまり結構でもございません」
「いや、結構だ。遠く俗塵を離れて天然の妙致に心気を洗う。その心がけがたのもしいぞ」
「恐れ入ります」
「なあに、恐れ入らんでもよい。おれもその松島へゆく途中だ。同道いたそう」
「え? では、あの、先生も松島へ?」
「さよう。一生に一度は見ておいてもよいところじゃからナ」
「ちッ! 仕方がございません。与吉もあきらめました。りっぱにお供しやしょう」
「これこれ、与吉と申したな。ただいまの挨拶はなんだ?」
「いえなに、こっちのことで――ごいっしょに行けばよろしいんでございましょう? ええ参りますとも! 松島だって、どこだって、こうなりゃ……」
「ア、これこれ与吉、黙って来るがよい」
そこで。
仏頂面の与吉と、笑いを噛みしめていかめしい顔を作った泰軒とが、妙なふうに肩を並べて歩き出したまではいいが、この二人の奇体な取合せに、朝早くさく山の町へ用たしに出る百姓などが驚いて道をよけている。
「先生! 先生はいつ江戸をおたちになったんで? たいそうおみ足が早うございますな」