Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
堅人の伊兵衛のすることだから間違いはあるまいと、忠相は最初から知って見ぬふりをしているのだった。
いまそのことを泰軒へ伝えている時にこの訴え――。
黙っていると、かすかに雨の音が聞こえる。
「暁雨」
何か詩の一節を忠相が口ずさみかけた拍子に、パッと敷居に明るい花が咲いたように、お艶がうずくまった。
「お艶どのか」
「お! 泰軒先生もここに!」
おどろくお艶へ、忠相はしずかに顔を向けて、
「雨らしいの」
と、淡々として他のことをいう。
「たいへんでございます。伊兵衛さまが追剥に殺されましてございます!」
「うむ。いま聞いた」
泰軒は平然と脇息にもたれて、
「いつのことかな、それは」
「っい先ほど……」
「場所は?」
「はい。深川の相川町、こちらから参りますと、永代を渡ってすぐの、お船手組お組やしきの裏手、さびしい往来でござりました」
「ふうむ。それで奪られた物は?」
「はい、アノ」と恥ずかしそうなお艶、「わたくしが身を売りましたお金と、それからなんでも出羽様からとかいただいた小判が三十とやら――」
「ほほう!」
眼をつぶって聞いていた越前守忠相、急に何ごとか思い当たったらしく、呵々と大笑した。