Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
闇黒をこめる戦塵……。
その刃渦の底をすこしく離れた木かげに隠れて、さっきからこの剣闘をうかがっていたひとりの女があった。
いうまでもなくお艶、いや、今は羽織芸者のまつ川の夢八だ。
彼女は。
うるさい客の鍛冶屋富五郎に、せいぜいなびくがごとく見せかけて酒をすすめ、その間にぬけ出て泰軒を呼び返し、左膳ら今宵の策動を未然に報じてこの対計を採らしめたのだが、こうしてここから眺めていても、斬り合っているのは栄三郎一個、頼みに思う泰軒先生はいまだに姿をあらわさないのだ。
なるほど、今のうちは栄さまひとりでどうやら太刀打ちをしていけそうだが、なにしろこっちは一人に相手は多勢――どうなることであろうか? と、わが身も忘れてお艶はしきりにハラハラしているけれど!
逆にここに待ち伏せして、出てくるところをこうして不意に襲ったくせに、栄三郎にだけ剣をとらして、泰軒はいったいどこにひそんでいるのか……?
となおも見守っていると!
あせりだした栄三郎、群刀をすかしてその背後をのぞめば、鞘ぐるみのかたなを杖に、しずかに会話つつ観戦のていとしゃれている二人の人かげ――月輪軍之助と丹下左膳である。