Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
白髪童顔の老人は、そも何者か?
それに仕うる血気の四士?
また、彼らと行動をともにする男装の弥生の心中は? 栄三郎への彼女の悲慕哀恋はいったいどうしたというのだろう?
これらすべてが、火事装束に包まれる青白いほのお、やがては燃え抜いてあらわれんとする密事の火種であらねばならない。
この、去来突風のごとく把握すべからざる火事装束五人組と弥生豆太郎の住家のうえに、今や武蔵野の落日が血のいろを投げて、はるかの雑木ばやしに唖と鳴きわたる烏群の声、地に長い痩竹の影、裏に水を汲むはねつるべの音、かまどの煙、膳立てのけはい――浮世の普通に、もの悲しくあわただしいなかに、きょうもはや宵を迎えようとする風情が噪然として漂っていた。
たそがれ。
あかね色。
……輝き初める明星。
その時、夕まけて寒風の立つ背戸ぐちの竹やぶに、ふたつの影がしゃがんでいた。
弥生と、そうして豆太郎である。何かの話のつづきらしく、豆太郎は顔をあげずにいいはじめた。見ると、彼は小刀をといでいるのだ。
例の殺人手裏剣用の短剣を、何梃となく地べたに並べて、かたわらの手桶の水をヒョイヒョイとかけながら、豆太郎は器用な手つきでせっせと小柄をとぎすましている。