Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
老人がポツリと口をつぐむと……沈みゆく夜気が今さらのごとく身にしみる。
かくして。
謎の老士得印兼光は、夜泣きの刀の作者関孫六の子孫だったことがわかり、部下の、同じ火事装束の四人はその弟子、六尺ぢかい大男ぞろいの駕籠かきも、重い鉄槌をふるう平鍛冶のやからなればこそ、これも道理とうなずけて、弥生は、こころからなる信頼のほほえみを禁じ得なかったと同時に、斯道に対する老人の熱意のまえには、さすがは名工孫六の末よと、おのずから頭のさがるのをおぼえるのだった。
もう夜は五刻になんなんとして、あるかなしの夜映を受けて、庭に草の葉の光るのが見える。
会話がとぎれると、人家のないこの青山長者ヶ丸のあたりは、離れ小島のようなさびしさにとざされて、あぶらげ寺の悪僧たちであろう、子恋の森をへだてた田の畔を、何か大ごえにどなりかわしてゆくのが聞こえる。
犬が吠えて、そしてやんだ。
春の宵は、人にものを思わせる。
得印老人の物語が、感じやすい弥生のこころをさらって、遠く戦国のむかしにつれ返っているのだった。
近くの闇黒に、弥生は見た――ような気がしたのである。
古い絵のなかの人のようなよそおいをした刀鍛冶の孫六が、美濃の国、関の在所にあって専心雲竜の二刀を槌うつところを!