Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
そういえば、いつか雨の晩に、番町から瓦町へつれ出してから、あの娘はいったいどうしているのだろう?
何ごとも、思いついてはいてもたってもいられないお藤である。
翌日から穴を出て、爾来、彼女一流の探りの手腕をもって江戸中を櫛の歯のごとく当たって歩いていると!
目黒の行人坂。
寛永のころ、湯殿山の行者が大日如来の堂を建立した大円寺の縁日で、ふとおもかげの似た若侍とゆきずり、そこは、こんなことには特に頭の働くお藤なので、おや! 似ているぞ! と看てとると同時に、あとをつけて、いよいよ弥生が、男装して小野塚伊織を名乗り、そのひそんでいる家まで突きとめたのだった。
それをお藤は、いま源十郎へしらせているのだ。
「その儀は、おれより左膳へ、じかに教えてやったらよいではないか」
苦笑を浮かべて源十郎がいう。
お藤はせせらわらった。
「どこの世界に、自分の恋がたきの居どこを、わざわざ知らせてやるやつがあるもんですか。あたしゃ、それよりも左膳様が憎らしいんですよ。エエ、憎くて憎くてしょうがありません。だから殿様、丹下様があなたといっしょにお艶さんの行方を探すなら弥生さんのいるところを教えてやろうとおっしゃりさえすれば、弥生さんに首ッたけのあの人のことですもの、きっと眼のいろを変えてお艶さんをたずねまわるに相違ありませんよ。