Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
が!
源十郎心中に思えらく……。
さては、はかられたな!
かの左膳、いつのまにやら泰軒、栄三郎と腹をあわせて、自分にかかる不利な立場を与えたに相違ない。
妙なことがあるものだと源十郎はいぶかしく感じながら、目下はそんなことは第二、まずここのかたをつけなければと、できるだけ薄気味悪くほほえみながら、源十郎が手の氷刃をかすかに振りたてて見せると、眼の前の泰軒先生の鬚面が、急に赤い大きな口をあいて、またもや、
「ワッハッハ……」
無遠慮に笑い出したのでカッとした源十郎。
「此奴、たびたび要らんところに現れる癖がある。以後そのようなことのないように、ここでこの世から吹ッ消してしまうからそう思え!」
と、へんにだらしのない科白とともに、ひっこみのつかない彼が、思いきって打ちこんでいこうとすると!
戸外にあたって、
「火事だア! 火事だア!」
まつ川の男衆をはじめ、近所の人々の立ちさわぐ声。
斬りこむと見せて、たちまち身をひるがえして源十郎は、そのままヒラリ庭に飛びおりて、白刃をふりかざして危うく血路をひらくと、ほうほうのていで人ごみのなかをスッとんで行く。
あとには、腹を抱えて笑う泰軒先生の大声が、また一段高々とひびいていた。