Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
金とともに出て行ったきり帰らないおさよを、毎日カンカンになって怒っていた源十郎のことだからフラリと、狐憑きのようにはいってきたおさよ婆さんを見ると、源十郎、われにもなくカッとなって、いいわけのことばも聞かばこそ、おのれッ! とわめきざま、やにわにおさよを板の間へ押しつけて、
「これッ さよッ! 母に似ておるなどと申し、奉っておいたをいいことに、貴様、なんだナ、おれから五十両かたりとって、お艶と栄三郎をいずくにか隠したものに相違あるまい。いや、初めから三人で仕組んだ芝居であろう! ふとい婆アめ! どの面さげてメソメソと帰りおった――ウヌッ」
というわけで、おさよには碌にものも言わせず、いきなり責め折檻にかかったから、五十六歳になるおさよ婆さん、苦しさのあまりあたりかまわず悲鳴を上げる。
……その声が!
戸外のあらしを貫いて、離れの左膳の耳にまで達したのだった。
たださえ。
すさまじい風雨の夜ふけ。
その物音にまじって漂う老婆の哀泣である。これには、さすが刃魔の心臓をすら寒からしめるものがあったとみえて、ひとり眼ざめて夢判断をしていた左膳が、思わずブルルル! 身ぶるいとともに夜着をひっかぶろうとしたとき!