Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 340.187 caratteri · 666 schermate
恋する者の忘れられない初めての遭逢であった。
栄三郎は、しずかにお艶の顎に手をかけて顔をあおむかせた。
「お艶、拙者の心は以前からわかっていてくれたろうが、今後とも決して変わるまいぞ、な」
「はい。身にあまったお言葉……お艶はうれしゅうございます。このまま死にましても――」
「死んでも? はて、何を不吉なことを! 死なばともにだ!」
いっそう深ぶかと胸をすりよせたお艶は、そっと身をくねらして栄三郎を見上げた。
「ええ。いつまでもどんなことがあっても! でも、いろんなことがございましょうねえ、わたしどもの行く手には」
「うむ。まずそれは覚悟しておいてよかろう。さしあたり、先刻途みち話してきた夜泣きの刀だが……」
「いいえ」お艶はだだをこねるように首をふって、「そのお刀の取り戻しは、あなた様の手腕一つでりっぱになさること。お武家には何事につけても強い意志があると亡父からもよく聞かされました。ましてお腰の物の張り合い、それをとやかく申してお心をにぶらせるお艶ではございません。いえ、それはもう、その左膳とやらいう無法者があなた様をつけ狙っていると思えば、うかがっただけで生命のちぢまるほど怖うはございますものの、女の身でお手伝いもならず、足手まといの自分が情けないばかり、つゆうらめしいとは存じませんが、ただ、あの――」